2011年6月30日木曜日

芦屋仏教会館

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

書籍の中でもふれたが、
ここは、独特の雰囲気を醸す建物の1つ。
特に内部に足を踏み入れれば、色濃く宗教観が伝わってくる。

仏教界の著名人らが講演を行っているので、
宗教に興味のある方は、ぜひ一度、法話を聞いてみてほしい。

一緒に行っていたカメラマンは、
歴史好きで、宗教にも精通していて、
仏教会館の責任者の方にいろいろと話しを聞いて行く中、
とても、興味深く耳を傾けていた。

取材者の特権とでも言えるのだろうか,
取材先では、いろいろと斯界の話しを聞かせていただける。
それがすべて身についていれば、
きっと博学として名が通っていただろうなぁ、
と、しばしの反省もある。

仏教会館は
今回紹介している建物の中でも、まさにモダニズム建築といえる一棟。
「白く四角い箱」。だが、凝った装飾もあちこちに見られる。

外観は美しく青空にはえる


側面から裏面。また、味あり。

いかにもモダニズム的なつくりの内部。

階段なんだけれど。窓が半分埋もれている。

スクラッチタイルも見られた。

実は、取材時には3階、そして屋上にも連れて行っていただいた。
屋上からの景色は、最高。
もし、関係者の方と知り合いになられたら、一度、
「屋上をみせていただけませんか」と乞われてみてはいががかと。
きっと、心地よい風景に気分が爽快になることでしょう。


詳しくは

(ついでに小説も見てくださいね。直木賞クラスのものが掲載。立読みで見られる)

書店または版元(神戸新聞総合出版センター)やアマゾン等のネット販売もどうぞ。







2011年6月24日金曜日

カトリック夙川教会

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

カトリック夙川教会は阪急夙川駅からほど近い。
正面から眺める外観は、見る人によっては、
すこぅし厳つい感じを受けるかもしれないが、
まさに、西欧にある教会と違わない姿が美しい。

ここは、ネオ・ゴシックという様式で建てられているが。
ネオ・ゴシックはゴシック・リバイバルとも呼ばれている。
尖塔アーチの窓や天井、ステンドグラスなどが特徴的で、あるが、
ヨーロッパの各地でそれぞれに違った意匠もあり、
基本的には突起物が多くゴツゴツしたイメージだが、
専門家でもない限り、なかなか、見分けるのは容易でない。

ちなみに西欧での様式は、
まったく大まかではあるが、下記のように変遷していくようである。
ロマネスク   11Cごろ
ゴシック    12〜15Cごろ
ルネッサンス  15〜16Cごろ
バロック    17〜18Cごろ
ロココ     18C〜
ネオ(ロマネスク、ゴシック、ルネッサンス・・・) 19C〜
アールヌーボー、キュービズム

で、カトリック夙川教会だが、
外観だけではなく、ぜひ内部をみていただきたい。
感動ものである。

広々とした聖堂。
空にぬけるかのように高い尖塔アーチの天井。
聖母像など、心が洗われるおもいである。

側面からみた外観

正面のアップ

書籍にも載せているが内部の写真。
実際には、もっと感動的。

教壇は神聖さが際だつ

入口の天井。
蛇腹状におりあげられている。

詳しくは

(ついでに小説も見てくださいね。直木賞クラスのものが掲載。立読みで見られる)

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2011年6月18日土曜日

山本清記念財団

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

山本財団は意外といえば失礼になるが、
私の訪れた建物のなかでもかなり面白かったものの1つ。

最初に取材に訪れた時は、
予約もしておらず、
「書籍に載せたい」とも言わずに、
ただ、「建物を見せてもらえませんか?」と。

出て来られた人は、
「今日は、誰もおらず、閉めているんですが・・・」
といいながら、「遠くから来られたんですか?」とも。
「はい」と答えると、
「全部開けるのは、大変なので、半分ぐらいでもいいですか」
といったような事を言われたと思う。

もちろん、喜んで見せていただいた。
玄関から洋間、日本間、離れの茶室もなかなか素敵なもの。

実は、あまり期待していなかっただけに、
かえって感動も大きかった。

夕刻に押し掛け強盗のように訪れたのにもかかわらず、
「(本来200円の)料金は結構です」と。

さらに遠い後日、カメラマン同伴での取材の折には、
お茶菓子までいただいた。
申し訳ない気持ちでいっぱい。
あったかさにも感激だった。

ぜひ、予約をして訪れてみてほしい。

例によって書籍に載せていない取材資料用の写真を数カットご紹介。
最初の取材時には、いくつかの部屋は見ていなかったので、
カメラマンが撮った写真で書籍に載せていない、いいカットもたくさんあったのだが。

玄関から2階を見上げた。
独特の雰囲気があるでしょう。

離れの茶室。
武田五一の愛弟子による設計。


通風用の地窓の周りにも凝った創りが。


ステンドグラスもみられる。


洋室には暖炉跡も。

船底天井のつくりを見せるなども、ちょっとにくい。

蔵もみかける。

書籍で紹介した夙川にかかる「こほろぎばし」

山本財団の詳しくは
「阪神間モダニズム 近代建築さんぽ」
神戸新聞総合出版センター刊をご覧ください。

(ついでに小説も見てくださいね。直木賞クラスのものを掲載。立読で見られる)

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2011年6月14日火曜日

高碕記念館

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

今回は高碕記念館のご紹介。
例によって、詳細は「阪神間モダニズム 近代建築さんぽ」に書いているので、
本書に載せていない取材用の写真などを。

この高碕記念館は東洋食品研究所というところが、
CSR(企業の社会貢献事業)の一端として一部を公開している。
清掃が行き届いており、
こぢんまりとしているが、
個人邸としては、まぁ、立派なもの。
ウォーリズが建てたものというから、現存の価値は高い。
庭から見下ろせる眺めもなかなかのもの。

欲を言えば、内部も公開してほしいなぁ、と。
1階部分を、庭・バルコニーから覗くことができるが、
覗くだけではねと、いう人も多いはず。

近くに旧安田邸もあるが、
ここも現状では、一般公開がされていない。

雲雀丘のこのあたりは古くから開発されていた土地で、
大きな家も多く、
のんびり散歩するのも悪くはない。
旧安田邸と高碕記念館の2つが見られたら
近代建築ファンのみならずとも満足がいくのではないかと思う。

旧安田邸も、宝塚市の管理部署に何人かで申し込めば
見せてくださるような気がするが。(断言はできない)

さんぽがてら出掛けてみてほしい。

ライオンの像をアップするとなかなかの迫力


書籍には載せていない1Fのもうひとつの部屋。
バルコニーから見られる。
取材時に記録用として撮ったので、
机の上には、書類がのってるが、
ご容赦。


側面からみた建物。マンサード屋根の形状がわかりやすい。

ここが、玄関。洋風の建物の横に灯籠と松。


建物の裏側。舞台裏ね。
見せる写真でもなかったか。
エントツが分かりやすかったので。



庭の風景。空はだいぶ曇っちゃいましたけど。




詳しくは

(ついでに小説も見てね。直木賞クラスのもののみ掲載。立読みで見られる)

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2011年6月8日水曜日

旧安田邸

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

宝塚に旧安田邸がある。
ここは、近年、主のおばあさんが亡くなって、市に寄贈されたもの。
大正末に建てられたもので、
実は、私が書籍の取材を行った中で、もっとも面白かった建物の1つ。

書籍の中では、「擬洋風」という表現は避けたが、
北米の建築様式をその技術をもたない日本の大工が建てたというから、
擬洋風といっても良いのではないかとも思っている。

擬洋風建築は学術的には、江戸末から始まり、
明治末あたりで終焉をむかえたとされる。

まぁ、そんな事は、どうでもよい、ほどこの建物は興味深い。
詳細は本書に記載しているので省くが、
先日、ある人から「旧安田邸を見学してきた」と言われた。
あれっ?現状非公開のはずなんだけれどなぁ・・・。

でも、
「みんなが集える場所にしてほしい」というおばあさんの遺志があったから。
市の職員の方も、要望があれば、応えておられるのかも。
ただ、現状では、建物の傷みも激しく、建物自体もすこし傾いているようで、
何かの折の安全性の確保が困難なようす。
基礎からやり直すほどの予算組みも難しいとは思われる。

でも、
私個人としては、ぜひ、みなさんにひろく見てほしい建物のひとつなんだなぁ。

本書に載っている写真以外で、
取材用に撮ったものを掲載しておきたい。


玄関付近

玄関の上の不思議なトビラ。
玄関の上にバルコニーがあったのだろう。

建物の裏側から見た一部

屋根裏部屋からみた屋根越しの庭

フローリングのリビング全景

台所。すこし傷んでいるが近年まで使われていた様子

建物唯一の和室。庭を臨むように回廊もある。

網代仕上げなどもあり、なんとも深い味わい。1Fサンルーム

ぎこちない仕上げが擬洋風っぽい

昔の調度品もたくさん残っている


詳しくは

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