2011年12月16日金曜日

深江文化村

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

深江文化村は阪神芦屋駅から徒歩15分ほどのところにある。
大正末に中庭を囲んで13棟の洋館が建てられたというが、
今では「冨永家住宅」「古澤家住宅」の2件のみが残る。

ここが文化村といわれた由縁は、
ロシア革命をのがれた亡命者たちが、
このあたりに居住し、
なかにピアニストや指揮者など文化人が多く、
彼らを慕って集まった日本人門下生がやがて
著名な音楽家にもなっていたことなどからである。
「芦屋文化村」とも呼ばれていたらしい。
ゴンチャロフ製菓やモロゾフなどは
この時代の亡命者が設立した会社である。

冨永家は、木造ツーバイフォーの2階建て。
古澤家は、急勾配のスレート切妻屋根が特徴的。
どちらもきれいに保存されているが、個人宅なので、
見学するには、
遠くから静かに見守る程度にしてほしい。

文化村から
すこし南西に太田酒造迎賓館がある。
旧小寺源吾別邸である。
スパニッシュ風。
ヴォーリズの設計と言われている。

文化村の紹介看板が立ててある

古澤家。書籍の取材資料用にとったもの。



冨永家。裏庭側からのショット。


太田酒造迎賓館。塀越しに垣間みる。



詳しくは
ブログ右手にあるリンクから。
(ついでに小説も見てください。直木賞クラスのものが無料で見られます)

書籍「阪神間モダニズム 近代建築さんぽ」の購入は、
書店または版元(神戸新聞総合出版センター)やアマゾン等のネット販売をどうぞ。

2011年12月9日金曜日

大庄公民館

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

村野藤吾という日本を代表する建築家により
大庄村役場として建てられた建物は、
その奇抜さと、外壁に配されたレリーフが際だつ。

建物は村野の若かりしころの作品、
当時の公共建築物の権威的なプランに
大きな一石を投げかけた秀作。
専門家にとても評価が高い。

村役場だけに規模は大きくはなく、
建物に興味がない人にとっての、
散策目的としてはすこし物足りないかも知れない。

それでも、
ギリシャ神話の「グリフィン」、
オリーブをくわえたハトなどのレリーフは、見物。

建築、造型に惹かれはじめた頃に
訪れると、その味わいが理解できるのではと思う。

外観南面。塔屋にもレリーフ

奇抜なデザインがみてとれる

グリフィン。鷲の頭に獅子の胴

オリーブをくわえたハト


貴賓室。オーク材や電燈、天井の模様も美しい

階段・踊り場

入口ホールには建物を紹介する資料がいろいろ飾ってあった


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2011年11月29日火曜日

兵庫県公館

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

兵庫県公館は明治35年に兵庫県の本庁舎として建てられた建物。
戦災などで大半が焼失したようだが、
ドーム屋根など、竣工当時のままに再現されている。

フランス・ルネッサンスの伝統が生かされ、
この時代の建物を代表するが、
それ以上に、日本の西洋建築の結実とも表現される。

内部は近年改修されているが、
迎賓部などはルネッサンスを彷彿させてくれる。

現在、迎賓館、県政資料館として利用されている。
迎賓館は土曜日、資料館は月〜土曜日公開されている。








迎賓館が美しいが、私のカメラには収めていなかった。
書籍にはカメラマンが撮った写真が載っているので、ご覧あれ。

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2011年11月18日金曜日

御影公会堂

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

阪神石屋川駅の北、国道2号線沿いに御影公会堂はある。
JR六甲道駅や阪急御影駅などからだと、
10〜20分ほどの、さんぽがてらで行けるかと思う。

近代建築の一時代を築いた清水栄二設計の建物は、
円形のテラスをもち、客船デッキのようにも見える。
ドイツ表現主義の影響を受けながらも、
個性のあるアレンジを加え、
特徴深い、独特の建物として昭和初期の建築当時の姿をみせる。

空襲で被災した建物は、
野坂昭如の「火垂るの墓」の1シーンにも登場する。

地下の食堂は、
「美味しい」と評判で,
食事や喫茶をしながら、
構造や内装が楽しめる。

本書・本ブログで紹介している甲南漬資料館
とともに訪れてみてほしい。


国道2号にかかる石屋川橋から望む


ファサード部

荘重な玄関

裏手から見た姿

エントランス内部

上階

階段付近

地下の食堂。ウィークディはランチのみ。
土・日・祝はディナーも。

食堂にかかる時計。
なんともモダンな雰囲気。


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2011年11月12日土曜日

六甲山ホテル旧館

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

昭和初期、都市近郊高級リゾートホテルとして建築されたホテル。
いまでも、その姿は旧館として残る。

木を基調にしたハーフティンバー山小屋風の建物は、
ハイカラと呼ぶにふさわしく、
往時の姿で迎えてくれる。

内部は連続アーチの壁や、
スクラッチタイルで造り込まれ、
心地よい圧迫感も感じられる。

ホテル直通のバス便もあるが、
六甲ケーブルを利用して、
ハイキングを楽しむのもよい。


館内に飾ってあった創業当時の写真。

今もかわらぬ姿がある。

旧ロビーも味わいがある。

暖炉も荘重

季節にはアジサイも美しい

六甲ケーブル山上駅。このアールデコ調の建物も昭和初期建設。

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2011年11月4日金曜日

甲南漬資料館旧高嶋家

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

高嶋家住宅は昭和初期の建築時には
和館と洋館の2つがあったが、
今は洋館のみが残り、
甲南漬資料館として開放されている。

当時、独特の表現力で知られた
清水栄二の設計で、
国の登録文化財にも指定されている。

内部は、昭和の香り漂う
商用品が展示されており、
喫茶室など、おおいに時代が感じられる。

隣には甲南漬本舗がある。
バスが横付けされ、
観光客らしき人々も訪れるようす。

ここは、灘五郷のひとつ御影郷にあり、
南東に向えば、
富久娘、白鶴、沢の鶴などの
清酒工場が立ち並ぶ。

さんぽするのもいいかもしれない。









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2011年10月30日日曜日

日本基督教団神戸教会

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

和の日本人にとって、
洋の教会は
違和感がある。

その違和感は、
決して居心地の悪い物ではなく、
むしろ、心の洗われるような、
心地よい違和感と言える。

神戸教会は
神戸の花隈にある。
神戸高速の花隈駅からほど近く。
JR元町駅からでも、歩いてそれほど時間はかからない。

教会はロンバルト帯をもつ
ネオゴシック様式。
スクラッチタイルで身を固めた外観は、
異様なほど美しい。

ここは、
神戸女学院やYMCAなどとゆかりの深い教会。
江戸時代に宣教師が礎を築き、
明治期にはすでにりっぱな建物を構えていた。

日曜日の礼拝には一般の人も
参加できるので、内部、
教会独特の不思議な違和感を楽しんでもらいたい。









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2011年10月21日金曜日

神戸文学館

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

神戸は灘、王子動物園のほど近くに
神戸文学館がある。

文学館の建物は明治37年に
関西学院のチャペルとして建てられたもの。

戦災などにより
修復をくりかえした後、
平成に入って原型に復元された。

神戸市内最古級の煉瓦づくりのチャペルは、
尖塔屋根、三連アーチ窓などをもち、
内部はハンマービームトラス構造。
アカンサス模様の柱頭飾りやステンドグラスも
美しい。

書籍では紹介していないが、
動物園の中には
1889年に建てられ移築された旧ハンター邸がある。
コロニアル様式の美しく貴重な国重要文化財。切手の図案にもなっている。

王子公園をさんぽするのもいい。









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