2011年5月31日火曜日

旧木下家住宅

阪神間モダニズム 近代建築さんぽ

神戸に住んで30年ほど経つが、
意外と神戸のことを知らない。

六甲道から阪急六甲、そして西区に移り住む。
何処其処なく、ぶらっと歩くのが趣味のひとつであるが、
この本の取材をするまで、
あちこちに明治・大正・戦前の古い建物が残っていることすら知らなかった。

旧木下家住宅は、舞子公園の西地区にある。
舞子公園は神戸の人ならずとも、行かれたことはあるだろうが、
西地区となると、知らない人が多いのではないだろうか。

もちろん?私もしらなかった。
でも、旧木下家にはぜひ行ってみてほしい。
緑にとけこんだ住宅が昔へと誘ってくれる。

昭和のにおいがほっこりと漂う、和風建築。
兵庫県の田舎出身の私などにとっては、
懐かしい家。はなたれ坊主のころの記憶が蘇ってくる。

船底天井、網代天井、掛込天井など
畳にごろりと寝転び天井だけ見あげてもオモシロイ。

小雨まじりの日などにいくと、
しっとりとした情緒がまた格別。




書籍に掲載した写真とは別シーンを載せておきたい。

http://peach21.org/honza/index.html

2011年5月26日木曜日

なぜか京都

阪神間モダニズムについて書こうと思いつつ、
今回は京都のお・は・な・し。

友人に会うために京都にでかけた。
JR京都駅から烏丸御池を経て、友人の会社の近くへ。
でも、社用で1時間ばかり帰って来られないと。
なので、二条城へ足を伸ばした。

実は、小生、京都には1年ほど住んでいた事もあり、
時折り、時間があれば京都を、歩き回る。

二条城の中へ入るのは30年ぶり。
入場料600円は高いと思いながらも、
昔は素通りした(と思うが)各々の座敷など、
今、見ると、相当オモシロイ。

折上げや二重折上げの格天井、
うぐいす張りの廊下、欄間等も、それは豪華絢爛。
庭や堀、季節ごとに咲くという花々もきれい。
近代建築とは比較しようもないが、ゆっくり歩けば、1日楽しめる。

再び烏丸御池あたりに戻り、友人と会う。
伊右衛門という店で500円也のほうじ茶を飲みながら、
ほぼムダ話。会社をあまりサボらせてはならないので、30分ほどで退散。

そこから、金閣寺を目指した。
モチロン、徒歩。
途中に北野天満宮に寄り、露天市みたいなのをやっていたので、骨董品を眺めつつ、
北へ。

金閣寺もこれまた30年以上ぶり。
キンキラに輝く堂に、修学旅行・校外学習の学生や外国人観光客が記念撮影のアメアラレ?
小生は、ズボラな性格からデジカメを忘れて、、しっかと心に焼き留める。

過去に住んでいたのは北大路や上賀茂あたりなので、
この付近から、南にかけては、あまり馴染みはない。

どうせならと、街並を楽しみつつ、
四条の西院から阪急電車に乗ろうと、
テクを決めつけたものの。
どうも京都らしさが感じられない。

どうしてなんだろうと考えてみると、
小生の「京都らしさ」の要素の中には、
懐かしさが大きな比重を締めていたに違いない。

加茂川や鴨川、高野川の風情、
下鴨や上賀茂神社、哲学の道、南禅寺、清水寺など、
馴染みのある左京が、どうやら、好きなんだろう、と。

でも、久々の京都は、
「京都の町を歩いている」
という自分には、酔えるものだった。

西明石からJR京都、御池、二条城、金閣寺、阪急西院、三宮から徒歩元町を巡って
西明石。総徒歩数3万3,881歩。

ここのところ、パソコンに向かいきりの小生は、
ちょっくら足腰が痛い。
ちょっと歩かねばと・・・。

2011年5月20日金曜日

近代建築さんぽ ロイ・スミス館

2、3日前に、ロイ・スミス館を管理されている
神戸大学六甲台後援会の方からTELいただいた。
「阪神間モダニズム 近代建築さんぽ」の本を見られてのことだった。

「なかなかいい出来映えだ」の旨、
なおかつ、東京から見学に来た人に本を紹介したら、
購入を希望されたので、出版社から送ってほしいとのこと。
たくさん買っていただいた。

取材でお世話になり、
あとあと何かと、気に掛けていただいて
ホントウ、感謝。

話は変わるが、
このブログを立ち上げ、書き始めたものの、
紹介している近代建築は、本の中で、ほぼ紹介しきっている。
なんで、こぼれ話に絞って書かねばならないのだろうなぁと。
まぁ、でも、「四方山ワールド」と銘打ったので、
何を書こうが勘弁していただこう。

実は、小生、若い頃、六甲辺りに住んでいた。
曽和町というところだったので、
このロイ・スミス館とは、そう離れていないところ。
でも、その頃は、近代建築に興味があるわけでも、なく。

花見だと言っては、近所に住まわれている お世話になっている方に呼んでいただいては、
護国神社で夜桜を楽しませてもらったものだ。
そのほんの近くに、館があったなんて、
何十年か経って、あらためて、感慨を覚えてしまう。
館の存在を知り、当時訪ねていれば、もう少し早く、この本が作られていたかもしれない。
なんてね。




本とは別アングル、私が取材用に撮った写真を紹介して今日は、打ち止めといきたい。


2011年5月14日土曜日

芦屋市立図書館打出分室

今回から実際の近代建築取材のウラ話を紹介したいと思う。
まずは「芦屋の図書館分室」

建築にあまり興味のない方には、ここだけ目指して訪れても少し物足りないかもしれない。
でも、石造りの外壁にツタの絡まる姿はとっても壮観。
芦屋にある他の近代建築とともになら、結構たのしめるだろう。















写真は書籍で紹介しているのとは別のアングル。
実は、カメラマンに撮ってもらった時期は真冬で、ツタは枯れて石組みが露になっていた。
恥ずかしいことに、小生は、ツタが季節によって枯れるとは思っておらず、
「ツタって、常緑でしょう。甲子園見てても枯れたとこ見たことありませんよ」
なんて、編集の人にエラそうに言ってしまってた。ら、
なんと私の取材資料用に撮った時とは違って、プロの撮影時にはあられもない姿。
「あちゃ〜。スンマセン」の世界だった。

まぁ、どちらの姿も、それはそれでいいカンジだけれど・・・。





















この写真は円頭アーチ窓を中から見たもの。
1シーンを区切ってみると、なかなか深みも感じられる。
こんな見かたをしてくださいませ。

で、話は前後左右するけれど(左右はいりませんが)
文中で、ルスティカ風という言葉の説明をしているが、
取材時には、「芦屋の広報誌の中ではルスティカ仕上げ」と表記しているといわれた。
でも、この本の監修をお願いしたヘリテージマネージャーの沢田さんに聞くと
「これは仕上げではなく、風、でしょう」と。
これまた、お恥ずかしい話で、
どう違うのかと、当時は理解したと思うんだが、今では、たぶんこうだろうなぁ、
という程度の覚え具合。はっきりとは、忘れた。
年のせいかなぁ。(と、年齢に責任をかぶせておこう)
興味のある方は、調べてみてほしい。

ちなみに書籍の中で図書館の近くに京極小児科クリニックの建物にも触れているが、写真は載せていないので、ここで、ほんのちなみに、載せておこう。戦後に建てられたものというが、つくりがなかなか珍しいでしょう?

2011年5月10日火曜日

1年じゃきかない

阪神間モダニズムだが、
初めてプレ取材に行ったのが冬最中のヨドコウ迎賓館。
友人の落語会にいく途中で下見程度に行ったのだ。

話は、ちょっとそれるが、
この友人、大学時代は落研(落語研究会)におり、
何度もTVに出て、名人賞をとったつわもの。
今でも年に1度程度はプロの落語家も交えて発表会をしている。
四笑亭笑平という。
って、話は置いといて。

ヨドコウ迎賓館は
入場料がいるが、それだけに見所も多い。
内容は書籍で見ていただければ幸い。
実は、この近くには私邸の近代建築も残っており、
宝物探し気分でウロウロしてみると案外おもしろい。

山好きなら、
芦屋川沿いに六甲登山へのルートもあるので、
どうぞ、お好きにのぼってくださいまし。

・・・で、下見に行ってから企画書を書き、実質の取材を始めたのが
5月の下旬ごろから。
昨年はくそ(失礼)暑い夏で、ダッラダラ汗をかきながら、
多い日には1日、3万歩ぐらい歩いていた。

それから1年。
よくぞここまで、書き上げたなぁという原稿も整え。
デザイナーさんやカメラマンさんに助けられて、仕上がった次第・・・。

これって、苦労話を書いていると、
それで1冊の本が完成しそう。
なので、適当に筆を置かせていただくことに。

内容がない文章になっちゃったが、ご容赦。
次からは私の撮った写真もちょぃちょい交えてみたいと思っておりまする。

2011年5月7日土曜日

阪神間モダニズム2

「阪神間モダニズム近代建築さんぽ」だが、
紹介している建物のある地域は、
西は神戸の舞子あたりから、東は尼崎、また、北は宝塚・川西、三田方面まで。
項目としては全部で40余りある。
時代背景や近隣の見所なども掲載しているので、
建築になじみのない方々でも、きっと楽しんでいただけると思う。

取材をしていて、
「これはスゴイ」「感動ものだなぁ」「タイムスリップできるようだ」
と思われる建物やそれを含めた情景が多いが。
ここだけを目指して見に来るのは、
よほど建物に感心があるか、好奇心が強いか、という所もある。

それでも気持ちは持ちようで、
1つで物足りなければいくつかを回ることも十分可能。

まして、後から思い起こしてみると、
「つまらなかったなぁ」と思っていたところでも、
心の中で情景が熟成されて、
「もう一度みてみたい」と思えるようになるから不思議。

それ以前に、読むだけでも面白いから・・・どうぞ。